伊勢神宮御料酒(ごりょうしゅ)は、日本の歴史と文化の中でも特別な存在だ。全国の酒蔵から唯一選ばれた清酒「白鷹」が御料酒として奉献されている。この伝統は1924年から始まり、伊勢神宮の神々に毎日朝晩供えられている。
この酒は、兵庫県西宮郷で伝統的な手法「生酛造り」で作られており、特別な水「宮水」と最高級の酒米「山田錦」を使用している。清酒は専用の土器(かわらけ)に入れられ、鯛や昆布、野菜とともに神宮外宮で供えられることで知られている。
酒好きの方には、御料酒を記念して作られた「特別純米酒」がある。これは一般販売されていて、神宮で使われるものとは異なるが、特別なラベルとともに楽しむことも一興かもしれない。日本酒好きにとっても、伊勢神宮御料酒は歴史や格式を感じることのできる一品である。
日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)
私たちが朝晩の食事をとるように、伊勢の神々にも古くから朝晩の食事が供えられてきた。伊勢神宮ではこれを日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけのまつり)と呼び、伊勢の大神の御饌(みけ)は、豊受大神宮(外宮)の御饌殿(みけでん)という御殿で供される。大御神にそなえる大御饌(おおみけ)のお酒は、専用の土器(かわらけ)に入れ供えられる。
| 日別朝夕大御饌祭とは、外宮の御饌殿で毎日午前と午後の2回、天照大御神を中心とした神々に食事を差し上げる神事。外宮鎮座から約1,500年、どんな荒天の日も、また戦乱のときも続けられてきた祭りである。 食事は神宮神田で収穫されたお米を蒸した御飯、二見の御塩殿(みしおどの)で作られた塩、神域の井戸から汲み上げられた水に、御酒、鰹節、海魚、海草、野菜、果物が添えられる。御調理には、心身を清めた神職によって古代の道具で熾(おこ)された、清らかな火が用いられている。因みに1日2回というのは、古代の食生活によるとされている。 |
参考:
| 宮水とは、もともとは「西宮の水」が略されたもので、その名のとおり、兵庫県西宮市の沿岸部で湧き出る井戸水を指す。 「宮水」は、古くから西宮を含む灘五郷で造られる灘酒の品質を支える要素のひとつとして知られてきたが、その理由は水質にある。 宮水はミネラル分が豊富な「硬水」で、とくに酵母のはたらきを活発にするリンやカリウム、カルシウムが多く含まれている。 |
| 山田錦とは、日本を代表する酒造好適米(酒米)の一つで、「酒米の王」とも呼ばれ、大吟醸酒など高級酒に使用されている。品質・生産量ともに日本一のトップブランドであり、1923年に兵庫県で人工交配が始まり、1936年に完成した。主に日本酒の製造に使用され、その特性から高品質な日本酒を生み出すために欠かせない存在である。 |

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